(このシリーズを以前読んだことがある方は、最初の方の”能書き”(笑)は飛ばして、「Five Forcesの全体像の確認」からお読み頂いても大丈夫です。)
仕事関係の食事や飲み会、パーティーなどで、外国人から「あなたは、どんな業界で働いていらっしゃるんですか?」などと話しかけられたことはありませんか?あるいは、海外子会社に出張したとき、新しく入った現地の社員から、「日本のXX業界って、どんな感じなんですか?勉強のために教えて頂けませんか?」と聞かれたことは?
そのとき、あなたならどう答えましたか?思ったように答えられましたか?
もちろん、「準備して、次の機会にお話しますよ」と返答をすることも可能です。これは日本人の方に多い対処です。というのも、日本人の方はまじめで完璧主義の方が多く、人前で”間違った”ことを言うのをあまり好まないからです。
一方、海外(特にアメリカ:私のコンサルティングを通しての経験から)では、その場で返す方が好まれるかも知れません。
スモール・トーク(small talk / 雑談)では、フローとリズムが大切です。それまでの話の流れから、相手があなたに興味を持ち、せっかく「日本のXX業界はどんな感じですか?」と聞いてきたのに、「また後で・・・」と応えては、それまでのコミュニケーションのフローとリズムが断絶されてしまいます。
完璧な情報でなくても構いません。その場でのベスト(Best possible effort)で応え、コミュニケーションの生気(Momentum)を保つ方が、双方にとって利が多いと思います。更に詳しい情報が必要なら、機会を改めてミーティング設定すればいいのですから!
「それは分かっているけれど、質問に即座に英語で答/応えるのは、そう簡単ではない・・・」と感じられますか?
ここで、フレームワークの登場です!
もしあなたが既にコンサルタントとして経験を持っているなら、フレームワークを使うことのメリットをご存知だと思います。(もちろん、デメリットも大きいですが!)
英語を/で話す時は、発音や文法、表現や文型の選択に脳のメモリーが使われ、更に、自分の考えをまとめるという大きな負荷がかかります。そんなプレッシャーの下でも、フレームワークを使えば、すばやく自分の考えを論理的、包括的にまとめることが可能です。
(フレームワークを構成する)各要素に関する短い文を作成し、それらを集めれば、全体としては意味のある、それなりの長さの文章を創り上げることが比較的容易にできます。
さて前置きはこれくらいにして・・・(Without further ado…)
以下では、例を使って具体的なフレームワーク・イングリッシュの使い方の手順を説明しましょう:
あなたは、既に仕事などを通じてこのフレームワーク(英語では、Modelという単語を使うことも多いです)をご存知の確率が高いですが、各パーツの内容について考える前に、念のためこのフレームワークの全体像を確認しておきましょう:
Five Forcesというのは、ハーバード大学のマイケル・ポーター教授がつけたものです。1980年に出版された(あの!)”Competitive Strategy: Techniques for Analyzing Industries and Competitors”という本の中で初めて使いました。
というわけで、コンサルティングなどの場においてこのフレームワークを使う最も典型的な目的は、「特定業界の構造を知ること/分析すること」です。その結果を、戦略構築などに活用します。
次の5つのパートから構成されています。
実際に手(頭)を動かす前から、あれこれ”注意事項”をお知らせするのは、私の流儀ではないですが・・・(笑)
あまり厳格に捉え過ぎないことは重要です。
これは、コンサルタティング・プロジェクトでの業界分析(Industry analysis)ではありません。ジョブ・インタビューでもありません。このメソッドの目的は、あくまで「(フレームワークを使って)英語を話すための方法を伝える」こと。ですので、欲しいのは、”会話をナビゲートする簡易な地図”です。「なるほど。地形の概要はこんな感じなんだぁ」と感じれるくらいの粗さで作文できれば充分です。
ですので、文の構造もあまり凝る必要はないですし、単語や表現も高尚(Sophisticated)なものをムリして選ぶ必要は全くありません!
このメソッドを初めて使う場合は、辞書を使わないで、今知っている単語だけで気楽にやってみて下さい。後で修正することはいくらでも可能です!
(プロジェクト・マネジメント的に言うと、WaterfallよりもAgileで行きましょう! Waterfall:1つのステップを100%完成させてから次のステップに進むアプローチ。後戻りを(ほぼ)しないトンネル工事のイメージ/Agile:全体の状況を見ながらステップを何回か行ったり来たりして修正しながら完成に近付けるアプローチ。彫刻を掘って行くイメージ)
そもそも、このメソッドの目的は、「会話をスムーズに進めること」なので、受験英語の準備の様に、黙々と文を書いていくのはお勧めできません。最初に声に出して言ってみて、それを書き落としましょう。声に出さないで書くと、非常に硬い(Bookish)文になるし、口語としてはしっくりこない場合もあります。
例えて言えば(もしあなたが音楽に興味がないならあまり参考にはなりませんが!笑)、作曲をする時、実際に声に出しながらメロディーを考えた方が、歌いやすい作品が仕上がるのと似ています。ベートーベンでない限り、沈黙の中で楽譜を書き上げて、歌いやすいメロディーを創作するのはかなり難しいかも知れません!(笑)
このコンテンツでは、コンサルタントの英語スピーキング・雑談上達法: フレームワーク・イングリッシュ・シリーズ:Five Forces(ファイブ・フォーシーズ)のパート1をお届けしました。
パート2では、実際の使い方を実例と例文を使ってご説明します。
ご質問やコメント、アイデアなど、お持ちでしたらどうぞお気軽に!
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