初めての店舗出店、どこが適している?

東京なら、やはり銀座でしょう。いや、渋谷かな?ん~、新宿も人は集まりやすい・・・

実際に、私のクライアントがかかえていた問題です。フード関係の企業で、地方でそこそこの知名度があるので、「次は東京へ!」という算段です。

これを読んでいるあなたなら、何となく察しがついたかも知れませんね。(特にあなたがコンサルティングをやっているとか、シャーロックホームズのファンだったりしたら、なお更のこと!笑)

そうです!目的をはっきりさせる必要がありますね。ものすごくおおざっぱに言えば、店舗を出す目的は、主に次の3つに分類されます:

  1. 売上を伸ばす
  2. 顧客データ/情報を集める
  3. ブランディング

1.は、”通常の”出店。1件より2件、2件より3件の店舗があった方が、売上は増すだろうという算数的思考に基づいています。

2.は、例えば、原宿などにあるアンテナショップ。最近だとポップアップショップでも同じことができるかも知れません。大企業がその名前を出さずにテスト出店することもあります。あるいは、アンケートなどを実施して顧客データを集める場合もあります。

3.は、例えば、マンハッタンに支店を出すあまり有名でない日本の企業が良い例です。家賃は、ワンルームで、30万円以上します。例外はありますが、多くの場合、収入もそれほど大きくないので、家賃と人件費だけで赤字になる可能性も大きいです。じゃあ、なぜわざわざマンハッタンに支店を出すのでしょうか?そうです!ブランディングです。自社の会社案内に、”NY支店”とか書きたいですよね!(笑)

というわけで、私のクライアントの企業に話を戻すと・・・

条件

  • 初めて店舗を持つ
  • 東京近辺の顧客に知名度を上げたい
  • どちらかと言うと若い人に注目して欲しい

ということであれば・・・

目的は、「ブランディング」ということになので、マーケティングの一環と位置づけてプロジェクトを始めることになると思います。もちろんあまりにも経済的な負担になるのはサステイナブルではありませんが、逆に、ここで過度に収支を考え過ぎるとどっちつかずの立地になってしまい、「売上にも貢献しない、ブランディングにも役立たない」ということになるので注意が必要です。広告塔の位置づけになるので、ターゲットセグメントのペルソナやビヘイビアのアサンプションを作る必要があります。そのためには、リサーチやサーベイが欠かせません。そして、分析と同等に重要なのが、統合力です

立地というキーワードで思い出すのが、外資企業です。マクドナルド、Gap、H&M・・・これらは銀座が一号店。シェイクシャック、タコベル、クリスピークリーム。これらは、それぞれ、神宮外苑、渋谷、新宿に第一号店を開店しました。ちょっと意外なのは、KFC。第一号店は、名古屋でした!

さて、上記企業の出店目的を考えると、実際の出店場所は適していたのでしょうか?そうでもなかったのでしょうか?それぞれの「その後のストーリー」を追うと、面白い結果が見えてきますよ!