”英語脳”なんて要らない! / FXXX “Eigo-Brain”

英語を話せるようになるためには”英語脳”が必要!?

よく上記のようなタイトルを付けたブログとか英語教材を見かけます。「英語を話せるようになるためには”英語脳”が必要だ」と思いますか?

おそらくこのポストを読んでいらしゃるあなたは日本語でのコミュニケーションには不自由が無いと思いますが、ちなみに、あなたは「日本語脳」を持っていますか?(笑)日本人は、「日本語脳」を持っているから、日本語を話せるのでしょうか?いったい、「日本語脳」とは何なのでしょうか?

”英語脳”は、マーケティング・ギミック

そうです!きっと既にあなたは気づかれたと思います。「英語脳」など存在しません。

教材のメーカーや英会話教室が考えた、”マーケティング・ギミック”(商品やサービスを売るための仕掛け)です。「夏までには”セレブ・ボディー”を手に入れて、ビーチでも自信を持って・・・」などというコマーシャルと同じです。(笑)架空のゴールなので、蜃気楼と同様、捕まえることはできません。

「英語脳」の科学的、言語学的な定義はありません。Googleで探しても、「”英語脳”とは、英語を日本語に変換することなく、英語のままで理解し、話せる状態を指します。」程度の説明が関の山です。あなたは、時間をかけて一生懸命勉強すれば、この状態に達することができると思いますか?この状態に達することができなかったらどうしますか?英語脳を手に入れることができなければ、英語を学習する意味はありませんか?

上記のような状態に達することができれば、それでもいいですし、達しなくても悲観するものでもありません。現実的には、あなたが帰国子女(死語?笑)でもない限り、「コミュニケーション時に、一切母国語を思い浮かべることもなく、完全にターゲット言語(この場合は英語)でコミュニケーション(読む、書く、話す、聞く、考える←”考える”は、コミュニケーションスキルの5番目のスキルです!)をこなすのは、かなり難しいと思います。繰り返しますが、だからと言って、悲観することは全くありません!(経験者曰く 笑→詳しくは、続きをお読み下さい)

「英語を話せるようになるには、”英語脳”が必要だ!」などという”マーケティング・ギミック”におびえる必要は全くありません。

それより、自分の目的を再認識しましょう。そして、今のレベルを確認しましょう。現在位置と目的地が分かれば、”旅”の予定は立てられたも同然です!

そして、あなたはあなたの強みがあるので、それを活かすことが重要です。もし、あなたがビジネスパーソンなら、ときに、思考力は、英語力をカバーします。それを示唆するエピソードを2つ例を挙げます:

”英語脳”が不要だった2つのエピソード

1つは、知り合いのシンガポール人ビジネスウーマンです。食事のためにレストランにいくと、入り口で、”Three people, OK-la?”のような、シンガポール弁丸出しです。笑

ただ、目的を達成するスキルはすごいです。ビジネスではこれさえあれば問題ないですよね!

例えば・・・

ドイツの素材メーカーの品質管理の不備(flaws in quality control)が、彼女の会社へ不良品(defective items)を供給するに至った経緯を、ロジカルにしかも分かりやすく説明し、相手の反論が意味を持たなくなるほど、追い詰めました。(もちろん、Zero sum主義者ではないので、最終的には双方にベネフィットのある解決策を提案するのですが・・・)

一見すると典型的なアジア人で、ベタなシングリッシュを話すため甘く見られがちなのですが、一度剣を抜くと相手はひとたまりもありません。もちろん、同胞とは、協力体制を築くこともうまいです。話しているときにちょっと中国語的な発想や発音が出てくることからも分かるように、上記の典型的な”英語脳”の持ち主像からは程遠いです。ただ、同僚の英語のネイティススピーカーも尊敬するほど英語でのコミュニケーション能力は高いですし、同時にインテリジェンスレベルも高いです。だから、グローバルな環境でも問題なく、というか、多くの人々よりも高いクオリティーで仕事ができるというわけです。

2つめは、私自身の話。(自分のことで恐縮です・・・笑)

私はNYでMBAを取りました。その時まで、英会話学校にも通ったことがないし、ましてや留学をしたことも無かったので、”外人”(笑)と机を並べて勉強することに緊張感を覚えていました。ところが、実際にコースが始まってみると、実態は「机を並べて」ではなく、「お互いに競争相手となって」でした。

「こっちは英語が母国語じゃないのに、不公平じゃん!」と不満を抱きながら授業に出たり、アサインメントをこなしていました。読むことだって書くことだって、ネイティススピーカーの倍くらいの時間がかかります。授業では、発表することが良いポイントをもらう必須条件です。ここでも苦労です。100人のネイティススピーカーの前で突然指名され、意見を言うのはちょっと心臓に悪いです。

ただ、そこは、相手も感情を持った人間です。最初は、私の様子を見てか、教授も友人たちも多少の手加減をしてくれました。

「あ~良かった・・・」と思っていると・・・

コースが始まってから半年くらいすると、教授も他のグループ(5人くらいのグループで活動することが多いです)のメンバー(アメリカ人)も、私のプレゼンを本気で攻めます。私のロジックの穴を突こうと必死になって質問を連打してきます。

「何て卑劣な奴らなんだ!彼らはネイティススピーカーなんだから、もっと手加減すべきなのに・・・」と、ちょっと腹を立てながら授業を終え、帰途に着きました。

ただ、帰りの電車の中で、ちょっとうれしくなりました。彼らが本気で私のプレゼンに対して攻撃したのは、その内容が、ある程度のレベルだったからだったからだろうと想像しました。私たち日本人だって、内容も貧弱、言葉もおぼつかない外国人がプレゼンをしたら、おそらくやさしく褒めて終わりだと思います。私が質問を連打されたということは、内容も言語のコントロールに関しても彼らと同等に扱ってもらえた証拠だろうと考えました。(単に私のことを理由なく毛嫌いしていた可能性もゼロでは無いですが・・・笑

最後に

私は、日本生まれの日本育ちで、英会話学校に通ったことも、まして留学したこともありません。でもグローバルコンサルティングファームのNYオフィスに転職することができました。知り合いのコネはありませんでした。アメリカには知り合いも一人もいませんでした。日本企業からの出向でも派遣でもありません。地元民(?笑)としての採用です。

私のケースは例外的なのか?はい。そうだと思います。

ただ、私のような普通の日本人ができるのです。

目的をはっきりさせ、正しい方法を使えば、ネイティススピーカーに対抗できるような英語のコミュニケーションスキルを手に入れることは不可能ではありません。(まあ、そのレベルまで必要かどうかは分かりませんが!笑)ただ、やり方があることは確かです。

英語の学習法(というか、「自分の考えを英語であまり苦労なく表現できるようになる方法」)についてポストを書いたことがあります。「こうすれば”英語脳”を手にいれられる!」という内容では、決してありませんので、過度な期待は禁物ですが・・・(笑)

少しでも、あなたのご参考になればと思います。

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