セカンド・ライフというメタバース / Second Life, a Metaverse Before Metaverse

元祖メタバース!

実は、Facebookの”メタバース”(Metaverse)が生まれる前から、メタバース(metaverse)は存在していたのです!

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特に2021年に、元Facebookがリブランディングしてから、”メタバース”という言葉が一般に知られるようになりました。まるで、マーク・ザッカーバーグ(Mark Zackerberg)が生み出した単語のようですが、実はそうではありません。よく知られているだけでも、少なくとも2人の先人がいます。

1人は、ニール・ステファンソン(Neal Stephenson)です。彼が書いた「スノー・クラッシュ」(Snow Crash)(1992年出版)というSci-fi(SF)は、今で言うmetaverse(メタバース)のような未来の世界に関する作品です。メタバースに関する話をするとき、まるでバイブルのように彼の作品が引合に出されることは頻繁です、が・・・

ここで2人めの登場です。Philip Rosedale(フィリップ・ローズデイル)です。1999年にLiden Labを立ち上げました。ハードウェアを開発する会社でした。ただ、次第にソフトウェアに興味が移り、Linden WorldというOnline worldを立ち上げることになりました。最初は、ゲーム主体の場でしたが、次第に3Dの世界を参加者主体がアバターとして作る形に移行します。今となっては、メタバースと言えばこのスタイルがメジャーですが、当時は、「(Linden Worldに)行っても、特にやることが無い/何をしていいか分からない」などの不満につながりました。また、バーチャル・ワールドのパイオニアだっただけに何のルールもなく、無為に建物を破壊したり、Sexを商売につなげる輩たちが参加し始め、手を焼いた時期でもあります。

彼は、上記のSnow Crashが出版される前、UCSD(the University of California, San Diego)に学生として通っている頃から、今で言うメタバースのようなバーチュアルワールドの構想を持っていたと言います。

その後、Linden Worldの名前も、Second Lifeに変えられました。雑誌に取り上げられるなどして(2006年にはGoogle Tech Talkにも出演しました)、2005年頃から急激にResidents(Second Lifeの住人をこう呼びます)の数も増え始めました。その優れたテクノロジーに対して、the Technology & Engineering Emmy Awardsが与えられたのはこの頃です。実は、内情は、あまりに短期間にユーザーが増えたため、サーバーがオーバーロード、ダウンしてしまうというような大きなFailutreもあったようです。

当時、$60M(1ドル100円換算で、60億円)の売上、$500M(同じく500億円)程度の”GDP”(Second Lifeを国に例えた場合の、「国内総生産」)があったにも関わらず、この辺りからSecond Lifeの運命にネガティブな影が落とされ始めます。2010年までにCEOが数回変わり、2009年には社員の1/3程度がレイオフされます。

その後、世間のSecond Lifeへの熱は冷め、後はあなたもご存知の通り、最近になってFacebookなどがまたメタバースという言葉を再燃させました。