メタバースはいくつある? / How Many Metaverses Exist?

メタバースと聞くと、旧フェイスブック社を思い浮かべがちです。実は、メタバースとは、元々一般名詞で、乱暴に言えば、「3Dで構成されているWeb2.0のウェブサイト」です。(Web2.0というのは、2010年頃から使われている技術レベルのウェブサイトで、インタラクティブ、グラフィック、モバイル、セマンティック(AIの参加)、ダイナミック、などが特徴です。)

2022年の末頃には、200程度のメタバースが存在すると言われていました。自分で書いておいて言うのはナンですが(笑)、この数は100%信頼できるものでは無い気がします。なぜなら、この数は、ちょっと「株式への投資」のような側面があるからです。つまり、マクロトレンドの他、思惑に大きく左右されると思います。メタバースは、まだInfancy(黎明期)にあるため、成長するのかしないのか、長期に渡って社会のインフラとなりえるのか、どのセクターのどの企業がドミナント・プレイヤーになりえるのか、ビジネスとして(どんな)意味があるのか、どんな風にマネタイズすればいいのか、などを誰も知りません。このため、興味はあるものの、どれくらい”足を突っ込む”べきかを判断しにくいです。このため、メタバースへの投資判断は、マクロのような客観的な指標を使いたいものの、実際には、主観的な「思惑」に左右されます。このため、旧Facebookがメタバースについて大きくプレスリリースを出せば、「おっ、我が社も乗り遅れてはならない!」と参入者は増えますが、熱が冷めれば、”放置”ということになり、アクティブなメタバースの数は減少すると考えられます。

それでは、2022年の末までに、どんな企業がメタバースをローンチしたのかを見てみましょう。

  • Meta Platform: 言わずと知れた、元Facebookです。OculusというVRゴーグルの会社を買収したり、Horizon metaverse platformを構築しています。ソフト、ハードの両方に投資し、メタバースに社運を賭けている様子がうかがえます。
  • Decentraland: 「メタバース内の土地が高値で売買されている」というニュースを聞くことがあります。多くの場合、それは、このメタバースかSandboxで起きているできごとです。イーセリアム(Ethereum)というブロック・チェインを使ってディセントラライズな(中央管理者が存在しない)世界を構築しています。そういう訳で、NFT(Non-fungible token)が使え、土地や服も売買できます。Sandboxも非常に似た特徴を持っていますが、両者の間では、Decentralandの方が古く3Dブロックチェーンのパイオニア的存在です。
  • Sandbox: Decentralandとほぼ同じ説明が当てはまります。但し、Sandboxは、元々ゲームのために開発されたため、Play-to-earn platform(ゲームなどをプレイして稼ぐプラットフォーム)としては、Decentralandよりも優れていると言われています。
  • NVIDIA: NVIDIAと言えば、ハードの会社というイメージがありますが(私はそうでした!笑)、現在、レベニューの70%は、ソフトから来ているそうです。NVIDIAのメタバースは、Omniverseという呼ばれます。Universal Scene Description (USD)という3Dでのレンダリングの独自技術を持っています。
  • Microsoft: BtoBで培った技術やソフトウェアと組み合わせ、かなり「実用的な」メタバースマイクロソフト・メッシュを構築しています。現実の世界とバーチャルな世界をシームレスにし、2つを意識しないで働ける空間を創造することが大きな目的の一つです。
  • Epic Game: あのFortniteやMinecraftを所有している企業です。というわけで、メタバースという言葉が広く使われるようになる前からゲームベースのメタバースを繰り広げていたという歴史があります。
  • Google: 当然、Googleもメタバースをローンチする予定ですが、まだ詳細を明らかにしていません。以前、ARのためのゴーグルを発売しましたように、VRやARに関しては、長期に渡ってノウハウが蓄積されていると考えられるので、私たちの日々の生活に欠かせない多くのテクノロジーの発展に関わっているこの巨大テック企業がどんなメタバースを創るのか、非常に楽しみです。

まとめ

メタバースは、非常に多数の要素技術から成り立っています。そして、それぞれの技術がとてつもない速さで発達しています。このため、現時点では取るに足らないスタートアップでありながら、数年後にはメタバースの定義を変えるような企業が生まれる可能性がある一方、今ドミナントである企業であっても1年後には姿を消している可能性さえあります。

elements of metaverse 英語 ビジネス

さて、メタバースは、インターネットのように私たちの生活を根本から変えるのでしょうか?あるいは、Google glassのようにバズワードで終わるのでしょうか。楽しみですね!