顧客の質問を先読みする能力 / How to Predict Client’s Questions

資料を作成するときに気を付けなくてはならないことはたくさんありますが、その一つについてお話します。

クライアント(社内ミーティングなら同僚など)からの質問を想定しておくことの重要性です。こんなことを書くと、「質問は想定しておくのが当たり前じゃないか!」とあなたは思うかも知れません。ところが、それをしない人は少なくありません。そして、「質問を想定しておく」だけでは、不十分です。今回は、それがこのポストのメイントピックです。

クライアントからの質問を想定して答えを準備しておくのは、プロのコンサルタントとして(他の職業でもそうなのですが 笑)当然なのですが、ポイントは、➀(メイントピックに隣接する)他の領域についても答えられるようにしておくこと(水平的な意識の広がり)、②少なくとも2回目/2層目の質問にも答えられるように準備しておくこと(垂直的な意識の広がり)、です。

➀は、100%確信のしようがありませんが、Best possible effortをすべきです。メイントピックからちょっとづれているような質問も想定しておく必要があります。

(↓実際にはこんな単純な例は少ないのですが・・・笑)

例えば、ある地方都市の交通手段の改善がプロジェクトのテーマで、あなたがEVをソリューションの一部として引合に出した場合、間違いなく、「どんな点が現在使われている方法よりも優れているのか?」のような深堀り質問がされます。これに答えると、今度は、「どんな定量的KPIにおいて優れているのか?」と聞かれます。場合によっては更に、「その仕組みはどうなっているのか?」というような同一トピックをタテに追及するような質問が3度されることでしょう。(垂直な意識の広がり)

深堀り質問が一通り終わると、今度は、他の代替エネルギーに関する質問が予想されます。もしかしたら、続けて、それらの比較についての質問が来るかも知れません。(だから、比較表のような形で提案するわけですが・・・)水平的な意識の広がりです。

というわけで、一言で言えば、想定質問とその答えを考えるとき、1回めの質問にだけ答えられるように準備しても不十分です。上記のように、真剣なクライアントなほど自分たちでもリサーチをしており、独自の仮説を持っています。あなたへの質問は、その仮説を検証するためのものが多いです。つまり、かなり詳細でシナリオになっています。なので、自分が提供した資料に関して、たった一つの質問だけを想定しておくのではなく、少なくとも2回の連続した質問に答えられるように準備をし、更に、その資料のメイントピックを少しくらい外れた質問をされても慌てずに情報を提供できるようにしておくことが、プロとして必要に感じます。