もう”いにしえ”は、終わりました!
いにしえから、外国語を本気で身に着ける方法の最上級に来るのが、留学だと考えられて来ました。その言語が実際に話されている国で生活するのが最も効率の良い方法だと・・・
ただ、よく考えると、あなたの(学習)目的によっては、留学が最も”効率の良い”学習方法とは限りません。なぜなら、学習の「効率」は、こんなふうに表せるからです:
効率=効果/コスト(金銭的な)
ですので、「効果」を上げるか、「コスト」を抑えるか、あるいは両方ができれば、「効率」を上げることができます!
まず、「コスト」ですが、”いにしえ”からかなり経ち(笑)、テクノロジーのお陰で、ほぼゼロになりました。外国語学習ががこんなに簡単に安くできるようになったのは、人類史上初めてではないかと思います。ですので、上記の式の分母(Dinominator)は限りになくゼロに近付きます。
それでは、「効果」についてはどうでしょう。
自分でやって驚いたのですが、結構な効果があります。特に多種多様な動画類、しかもクオリティが高い作品がすぐに手にはいる。これは、疑似留学への没入感を増す大きな助をしています!
さあ、準備はいいですか?
日本国内での留学体験の旅へ出発しましょう!
国内/自宅留学の方法
「朝起きてから寝るまで」的に、一日の時間を追って一緒に疑似体験してみて下さい!
朝起きて
リーディング(Reading)
午前中、集中力のあるうちにエネルギーを要する活動をしましょう。英語の記事を読みましょう。あなたが考えているより、リーディングから得られることは多いです!
また、実際にアメリカで仕事をすると分かるのですが(もちろん他の英語圏ではそうだと思いますが)、仕事で使う英語の中で、最も多いモードはリーディングです。
例えば、私のいるコンサルティング業界では、プロジェクトの最初のステップは、クライアントの顔合わせミーティングです。当然、その前に、彼らのProfileをOnlineで調べておきます。彼らの課題の概要がつかめたら、次は、軽くリサーチ(探索/Exploratory)をします。仮説を立てて、クライアントとディスカッションをして、クライアントから提供された書類を読み込んで・・・
リーディングに関して気を付けること
- 自分の力よりほんのちょっと高いレベルのものを探す~難し過ぎるよりは簡単過ぎる方が良いです。こうしたトレーニングは、Sprint(短距離走)ではなく、Marathon(長距離走)です!
- 記事のソースをいくつか見つけておき、探すことに時間をかけないようにする(前の晩に見つけておくというのもテです!)Google Newsなども有用です。
- 自分が興味を持っているトピック、仕事にも役立つ一石二鳥の情報を扱う(「英語の勉強のために英語を勉強する」というのは時間がもったいない!)
シンキング(Thinking)
Thinkというのは、5つめの言語/コミュニケーション能力です。例え、リーディング、リスニング、ライティング、スピーキングの能力があっても、この能力が欠けていれば、コミュニケーションは不可能です。
コンサルティング読み
記事を漫然と読むと、目が動いているだけになる恐れが大です!(笑)ですので、もしあなたがコンサルタントなら、”コンサルティング読み”を心がけましょう。”コンサルティング読み”とは、記事の中の「ビジネス環境」、「問題」、「原因」、「ソリューション」など、問題解決のストーリーを形作るような要素を拾いながら読む読み方です。詳しくはフレームワーク・イングリッシュをチェックしてみて下さい!
実は、”コンサルティング読み”すると、読んだ記事を深く理解できるだけではありません。記事の中のファクターの因果関係を理解するので、その分頭に残っている時間が長いです。一日のうちに数回繰り返せば(内容全般と記事の中のファクターの因果関係を明確に理解していることが前提ですよ!)、ほとんど永久に記憶に残すことも不可能ではありません。詳しくは、GAMBIT Thinkをチェックしてみて下さい。
そうやって記憶に留めて置いた情報は、一日の最後にまた使います。一粒で二度おいしい!
出勤の通勤電車で
リスニング(Listening comprehension)
ここから、Immersionの度合い(没入度)がぐっと高まって、”国内/自宅留学”感が深まりますよ!
電車がどれくらい混んでいるかによるんですが、もしあなたが東京以外にお住まいで電車通勤なら、是非、ビデオをお勧めします。東京にお住まいでギュウギュウ電車で勤務しているなら、ポッドキャストがいいでしょう。
あなたは、「面白そうな番組はあるけど、聞き取れない」なんていうことはありませんか?ご心配なく!「簡単に聞き取れるよ!」という方の方が、圧倒的に少ないです。日本で大学まで教育を受けた方の中で、後者は数パーセントだと思います。NYで生活しての実感値です!
もし、「どうやったらリスニング力が高まるか」に興味があれば、またVideoやPodcastについても、関連コンテンツがこちらにあります。チェックしてみて下さい!
お昼休みに
もしあなたがコンサルタントであれば、生活全体がクライアント合わせになりがちですね。そして、コンサルタントではなくとも、ランチタイムは決まった時間に決まった長さが取れないこともめずらしくないと思います。
では、英語トレーニングをあきらめるか?答えは、「はい」と「いいえ」の両方です。一日12時間も働くのだから、ランチタイムくらいは息抜きをしたい。はい。同意します。人間ですから、節度(Moderation)が重要です。あまり自分をPushし過ぎると長続きしません。
で、もし不定期ながら、とりあえずランチタイムを取ることができる場合、英語学習アプリを使ってみて下さい。英語学習アプリは山ほどありますが、時間が細切れだということを考えると、「テスト系」(例えば、単語、イディオムテスト)のものが適しているかも知れません。
(近い将来、英語学習アプリの比較紹介のコンテンツを書きたいと考えています。何かリクエストがございましたら、是非こちらまでお気軽に!)
細切れ時間を使うこのトレーニング方法は、電車での外出時(例えば、クライアントへの移動など)にも使えます。
帰宅の通勤電車で
リスニング(Listening comprehension)
出勤時にはビデオを見ました。もちろん、その続きを見てもいいと思います。私は、「午前中/出勤時のエネルギーが高いが、夕方~夜/帰宅時はエネルギーレベルが低い」という、自分の身体特性を知っているので、帰りはちょっと楽をしてポッドキャストを聞くことが多いです。画面がないので、目が疲れないのもいいですね。
もちろん、体力が自慢のあなたなら(笑)、NetflixとかAmazonで出勤時に見た番組の続きをみて下さい。
ジムで
リスニング(Listening comprehension)
もしかしたらあなたはジムに行ずに外を走っていらっしゃるかも知れませんね。外を走ると自然に触れることもできるし、世の中の様子、マクロ的な変化を肌で感じることができ、コンサルテントとしては得ることも多いです。
私も以前は外を走っていたのですが、季節や天候に左右されてしまうので、やむなくジムに通うことにしました。すると、良いことが!トレッドミルで走っているときには、目や耳はヒマなので、ビデオを見ることができます。運動している時には血の巡り(blood flow)も豊富なので、頭も良く動きます。(実際、私は新しいアイデアを考えるときやブレスト中は、歩き回って考えます。なぜかその方が思考がしやすいです!笑)
スタンフォードの研究でも、「歩くことがクリエイティビティーを助ける」と言っています!あなたも是非試してみて下さい。
夕食前に
スピーキング
既にここまででリーディング、シンキング、リスニングの3つのコミュニケーションスキルをカバーしました。残るは、スピーキングとライティングです。
オンライン英会話
昔はスピーキングのトレーニングと言えば、街の英会話学校か、個人的に先生を雇うことしか選択肢はありませんでした。ただ、私たちは奇跡的にタイミング良く、デジタルの時代に生まれたお陰で、従来の英会話学校や講師の数分の一のコストで(for just a fraction of the cost of …)人間の講師を相手にして英会話を毎日練習できる環境を得ることができました。オンライン英会話コースについては、こちらでチェックしてみて下さい。
せっかくお金と時間をかけるのですから、オンラインレッスンは120%活用してしましょう!どんなことができるか・・・?
実際にレッスンを受ける前にShadowingをして、口の筋肉のWarm upをする。フリーカンバセーションなら、話すトピックを見つけておく。会話のイニシアティブを取るのは、コンサルタントとして重要なスキルです。日本語でできることは英語でもできるようにしておきましょう。
シャドゥイングの方法について興味があれば、こちらをチェックしてみて下さい。
モノローグとリプロダクション
英会話レッスンよりももう少しNerdy(オタクっぽい)やり方があります!(笑)モノローグです。ここでは、GAMBIT方式のスーパー・モノローグについて簡単に説明します。
実際のやり方についての詳細は、こちらをチェックしてみて下さい。
こんな順番でモノローグとリプロダクションを行います。
最初のうちは、「考える」ことと、「(英語で)話す」ことの2つを同時に処理するときに負担があまりに大きいため、脳のCPUがちょっと熱くなる可能性があります。(私はそうでした!笑)
ただ、自転車やサッカー、釣り、楽器の演奏と全く同じです。しかも、最初のうちは、上達感も実感できずフラストレーションも溜まるかも知れません。でも、しつこく、あきらめないでやれば、絶対に効果は出ます!
Step 1: 目に入ったものを描写する
Step 2: 目に入ったものについて一般動詞を使って描写する
Step 3: 目に入ったものを起点に一般動詞を使って話をする
Step 4: 質問する
Step 5: 質問に答える
夕食時に
大切な人たちとの会話
もしあなたが家族やパートナーと一緒に住んでいれば、もちろん彼らとの会話を一番に優先しましょう。人間を相手にインタラクティブなコミュニケーションを楽しめるのは人間ならではの特権です。
こんなBGMをかけながら!(クリスマスでなくとも年中クリスマス気分!笑)
お風呂で
リーディング
バスタブにゆったり浸ってその日の疲れを取るのはほんとに気持ちがいいですね。特に冬の寒い日は!ちょっとぬるめのお湯に長く浸かることは、交感神経の興奮を沈めるので、質の良い眠りが得やすくなると言われています。
そこに、さらにリラックスするもう一工夫はでしょうか・・・
私は、お風呂ではDavid and Goliathなど、”頭が旅をする”ようなジャンルの本を良く読みます。一方、ビジネス系のノンフィクションは向かないような気がしていましたが、血の巡りが良くなり、更に日常とは異なるセッティング(環境)なので、非日常的なアイデアが生まれるかも知れないですね!
週末(休日)に
週末は休みましょう。1日というより、少なくとも一週間くらいのスパンで取り組む方がいいかも知れません。一週間くらいの方が、リズムが作りやすいかも知れません。
もちろん、「どうしても週末もトレーニングしたい!」ということであれば、是非、Weekdayにやり足りなかったことをやって下さい。例えば、Speakingでしょうか。あるいは、散歩やランニングをしながらリスニングを楽しむのもいいかも知れません。
まとめ
習慣化することが大切です。
「そんなに簡単にできないよ!」という声が聞こえそうです。
それに対する私の答えは・・・
「その通りです!」です。(笑)
誰でも簡単にトレーニングが習慣化できれば、とっくに世界中のノンネイティススピーカーが立派な英語を話しているはずですから!
トレーニングを始めるときには、あまり先を見ない方がいいと思います。最初は、その日のやろうと決めたこと(の半分)ができれば満足しましょう。その次の日も同じことを繰り返します。100点満点を目指すのはやめましょう。完璧主義(Perfectionism)ほど失敗を誘因するものはありません。
2日が過ぎたら、3日めも同じことを繰り返します。もし2週間続けられば、後は楽になります。そして、2ヶ月続けることができれば習慣化できたも同然です。
途中、仕事が忙しくてトレーニングが続けられなくなることもあります。全然問題ありません。「中断したから、せっかく昨日まで積み上げてきたトレーニング結果が消えてしまう。モチベーションを失った。」一旦はモチベーションを失っても結構です。もしそうだとしても、また始めればいいことです。
今日トレーニングを止めてしまったら、死ぬまであなたの英語の力が向上することはありません。でも、明日からまた始めれば、一か月後にはまた自覚できる程の効果が出ています。
ご質問やコメント、アイデアなど、お持ちでしたらどうぞお気軽に!