このセクションは、新しい試みです。このWebsiteに来て下さる方々ができるだけ効率的に英語を学べるよう、このセクションを付加しようと思いました。
下記の英文は日本語文の(直)訳ではありません。「同じニュアンスを英語で伝えるならどんな言い方をするだろう」という問いの元に考えています。
新たなマーケティング戦略を導入するので、それに伴って組織体制も見直す必要がある
The introduction of the new marketing strategy could require an organization restructuring.
Key points:
・Couldを使って、「~の可能性が高い」のニュアンスを出しました。
・ちょっと硬いですが、Introductionで始まる名詞句を主語にしました。学校では習いませんが、“文の構造の選択”は自分の主張を自然な英語で伝えるためにはかなり重要な考慮点です。
製造業のこのクライアントは、以前から組織をさわることに対してあまり気乗りがしない様子だった。
This client in the manufacturing industry has seemed reluctant to make changes to its organization since we started this project.
Key points:
・英文を見てしまえば何ということはないのですが、「気乗りがしない」とか、「違和感がある」のようなニュアンスのある表現は使い勝手があるので覚えておくと良いと思います。
先方の社長、副社長から出てくるであろうモロモロの質問に対してどうやって打ち返せばいいのかなぁ・・・
How should I answer various questions (and respond to comments) from the president and vice-president?
Key points:
・打ち返すという表現を使ったので、その心理の裏には「反論する」というようなニュアンス/意図があると思います。それを出すために、And respond to commentsを加えました。
クライアントに関する彼の思考は、「クライアント vs. 私たち」となっている
He takes our relationship with clients as “us vs them”.
Key points:
・Us vs themという表現は、対立を表す際この形で良く使われます。
特定業界の知識が豊富なクライアントをこの方程式に加えたことを考えたらたまらない
I feel so psyched about adding this client with such rich industry knowledge to the equation.
Key points:
・Psychedは、Excitedでも当然大丈夫ですが、“たまらない”という口語感を出すために使いました。
・文末のEquationという表現は、「あるスキームに何かを加える」というような状況を表現する場合に良く使われます。
バックグラウンドの異なるメンバーの多様な考え方は、自分でも見えなかった視点を気付かせてくれる
Various opinions of other team members with different background give us new perspectives.
Key point:
・PerspectiveとViewpointは、多くの場合Interchangeable(入れ替え可能)ですが、前者の方が、(単なる”視点”だけではなく)”思考の仕方”のようなニュアンスがあると思います。
一週間後に実施されるクライアントミーティングについてチームメンバーと話していた。「新たなマーケティング戦略を導入するので、それに伴って組織体制も見直す必要がある」という提案についてだ。製造業のこのクライアントは、以前から組織をさわることに対してあまり気乗りがしない様子だった。その社内ミーティングでのやり取りの中で、一人のコンサルタントAさんが言う・・・
Aさん:「この提案、先方はきっと一度は拒むと思うんですよね。私たち自身も、この会社で働いたことがある訳ではないので、その文化については100%把握しているとは言えないですが、先方の社長、副社長から出てくるであろうモロモロの質問に対してどうやって打ち返せばいいのかなぁ・・・」
もしかしたら、Aさんはそんなつもりは無かったかも知れない。単なる言葉の使い方、ニュアンスの問題かも知れない。が、クライアントに関する彼の思考は、「クライアント vs. 私たち」となっているように私は感じた。「クライアントから反対意見がでたらどうやってしのごうか」。極端な場合、「どうやってクライアントを黙らせようか」と考える人もいるかも知れない。私も10年以上前はそのような思考を持っていた。ただ、これは間違っている。クライアントと私たち問題解決者は、テーブルの同じ側にすわるべきだ。テーブルの向こう側にいるのは、“問題”や“課題”だ。同じチームのメンバーとして協力し合った方が解決も早い。味方同士で争えば時間とリソースの無駄遣いにしかならない。
「テーブルの同じ側にすわる」ことによる効果は、主に3つある:
1つ目は、”マルチプル効果”。「テーブルの反対側に座っている」(比喩的にも、文字通りにも)どうしは、敵対していて、お互いの力を打ち消し合う。ところが、「テーブルの同じ側」に座れば、両者の力は統合され、その和よりも大きくなる。サクセスフルなブレインストーミングが、創造を超えるアウトプットを生み出すのを、あなたも経験したことがあるはずだ。
ましてや、特定業界の知識が豊富なクライアントをこの方程式に加えたことを考えたらたまらない。特に経営者の方々は自分たちの業界に関しては、私たちコンサルタントよりも情報や経験が豊富なことが多い。私たちの問題解決スキルと組み合わせれば百人力だ。
「テーブルの同じ側に座る」効果は、”力の統合”(量的変化)に留まらない。2つめは、Authenticityによる効果だ。テーブルの同じ側に座る(比喩的にも/文字通りにも)と、お互いに”味方だ”という感覚が高まる。隠し事や小手先のごまかしをしなくなる。すると、たちまちAuthenticな(正直でウソが無く、ありのままの)コミュニケションをするようになる。ハッタリやごまかしで固めたArgumentは、欠陥工事と同じで、遅かれ早かれ崩壊する。
一旦、Authenticなコミュニケションが始まれば、”素朴な質問”もしやすくなる。”素朴な質問”は、ときに私たちのArgumentの弱点を露呈する。ただ、「テーブルの同じ側」に座っている味方が発した”するどい質問”は、受け入れやすい。バックグラウンドの異なるメンバーの多様な考え方は、自分でも見えなかった視点を気付かせてくれることも多い。
上記の3つの効果は、クライアントとコンサルタントの間だけでなく、同僚どうしや、上司と部下などの間でも享受できる。
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