中学から高校まで、6年も費やしたのに、思うように英語が話せるようにならないのは何か変だと思いませんか?私も大学1年生のときに同じ疑問を持ちました。
「もしかしたらトレーニングの方法に何か根本的な間違いがあるんじゃないか?」と考え始めました。
自作のトレーニング教材を作り、ちょっと特別なトレーニングを始めたのは、こんな単純な疑問がきっかけでした!
(←これじゃないですよ!これは、受験の時に作った“伝統芸”である単語カードです 笑)
大抵のことは、6年間もやればある程度は形になります。ピアノ、サッカー、絵、書道、剣道、プログラミング・・・皆さんも習い事で経験をしたことがあると思います。(ちなみに、物事の習得”mastery”と言えば、Malcolm Gladwellの“Outliers-10,000 Hour Rule”がよく知られています。K. Anders Ericssonは、その基になったResearchをしたpsychologistです)
私たちは、(少なくとも私は!笑)この6年間で英語を話せるようにはなりませんでした。なぜだろうと考えて、「InputとOutputの関係にあるのではないか」と考えました。つまり、“学習する(頭に入れる)”ときのモードと、“使う(頭から出す)”ときのモードが同じ方が、“英語を話せるようにトレーニングする”という目的を効率的に達成できるのではないかと考えたんです。
中学、高校の6年間、恐らく多くの人が英語を視覚に学習していた(単語帳を見ながら暗記)と思います。少なくとも今の40代の人くらいまではそうだったと思います。英語学習のほとんどの目的が受験だったのでそれでも良かったのかも知れません。さらに、(こともあろうに!)英単語とその和訳が、コンテクスト無しで暗記されることも普通でした。(こんなに非効率な学習方法が実際広く行われていました!)こう考えると、いつまでたっても英語が話せないないのは当然のように思えます。
でも、なぜ、上記のような方法ではなかなか英語を話せるようにならないか、をちょっと考えてみましょう:
「こんなに大量に英単語を暗記しているのに、なかなか英語が話せるようにならない!」とフラストレーションを貯めている方、もしかしたら、あなたの頭の中ではこんなことが起きているのかも知れないですよ! 英語を話しているとき、目が天井の方を向いてキョロキョロしていませんか?
受験勉強的な英語学習では、次のようなことをしています:
1.視覚入力
まず、視覚的にInput(学習)します: 特に受験だと単語単位で暗記します
2.理解+保存(視覚記憶)
当然、視覚的情報として脳にStoreされます: 音に関しては発音記号程度の知識しかありません
3.作文
暗記した単語を組み合わせて作文します: 頭の中のWhiteboard作文します。出来た文は、ネイティブスピーカーが使う表現とは異なることも多いです。英語で何か言おうとするとき、視線が天井の方を向いてキョロキョロしていたら、この“White board”を使っている可能性が大です!
4.発話
Assembleした(組み立てた)文を音声変換します: 音声化するにも時間がかかり、ミーティングならトピックが既に変わってしまっている可能性もありますね!
それでは、英語が話せるようになるためには、どんなトレーニング方法が最も効果的なのか?そして、それは、なぜなのか?!
カラオケを考えてみて下さい。例えば、「2週間後に、会社の同期のメンバーでカラオケに行くから、それまでに“アポロ”(ポルノグラフィー)をマスターしなきゃ!」と張り切った彼/彼女が真っ先に思いつくトレーニング方法は、次のうちのどちらでしょう?
選択肢①‟アポロ”の楽譜を買いに山野楽器へ急ぐ
選択肢②‟アポロ”を歌う練習をしにBig Echoへ急ぐ
わざわざクイズ形式にするまでも無かったですが(笑)、もちろん、最終的な目的が「歌えるようになること」なので、カラオケで実際に歌って練習した方が効果的です。実は、歌の練習と英語のトレーニング(話せるようになることが目的である場合)には、大きな共通点が2つあります。
a) 音でインプットした方が覚えが早いし、歌う時/話す時、口から出てきやすい
b) 音符を/単語を一つ一つ、バラバラに覚えるのではなく、ある程度まとまったフレーズで覚えた方が覚えやすいし、歌う時/話す時、口から出てきやすい
実は、後で分かったのですが、これは”耳の虫”(Auditory cortexにあるPhonological loopというメカニズム)を利用した、理にかなった(そして科学的な!)方法だということが分かりました!キャッチ-な曲を聞くと、その曲が数日間頭から離れないなんてことを経験したことはないですか?これは、英語ではEar wormと呼ばれる現象で、世界の大学などで研究がなされています。
このGAMBIT Speakという学習方法は、上記のような仮説(当時は)に基づき私が大学1年生の頃考えました。その頃は、カセットテープで(笑)教材を作ってトレーニングしました。その後、NYで英語での会話に苦労している駐在員の方々に試してもらったら効果があり嬉しくなり、友人何人(何社)かに作りました!
GAMBIT Speakを使ってのトレーニングは、受験勉強用の「大量単語暗記」とは正反対の方法を採ります:
1.音声入力
MP3などの音声教材をInputとして使います: 最初は慣れないので時間がかかるかも知れません
2.理解+保存(音声記憶)
そのまま音声情報として脳にStoreされます: ネイティブスピーカーの音が記憶されます
3.発話
聞いたそのままを口から出すだけです: 歌を歌うように記憶されている音(フレーズ)をそのまま口ずさむだけです (例えて言えば、誰かのモノマネをしようとする時、実際に発話する前にその人の声が頭の中で聞こえる、あの感覚です!Phonological loopが活躍しています!)
Mind Whiteboard(頭の中にあるWhite board)上で作文する手間や音声変換する手間が不要なので、その分英語も早く口からでてきます。また、プロセスが少ないため、文の内容に意識を集中させられます。更に、視覚(記憶)を使わないので、資料などを見ながら話をすることができます。
これまで、親しいクライアントや知人が個人的にGAMBIT Speakを試しましたが、特に下記のような望みを持っている方々に効き目があるようです:(下記は全て“英語で”が前提です)
ここまで読んだ方は、「なぜ6年間勉強しても英語が話せるようにならないか」と「大量単語暗記法の悪い点を逆張りしたGAMBITのしくみ」も何となく分かって頂けたと思います。
頭で理解したので、ついでに、体(・・・というか感覚 笑)で感じて頂きたいと思います。
◆ 実験
次の文(文字の連なり)を発音して下さい。
方法A. 目で見て覚える方法
「シラベブナウハヌシビ」
方法B. 音声で覚える方法
次に、下のボタンをClickして、音声を聞いて下さい(音が出るので注意!)
◆ 実験結果
この“単語”を実際に会話で使う(あなたが発話する)ことが目的であると前提した場合、どちらのInput(文字か音声か)がbetterでしたか?きっと音声で記憶した方が、口から出やすかったのではないかと思います。これが“音声記憶”の効果です。(きっと、カラオケの練習などでお馴染みですね!)
更に人体実験は続きます!
◆実験
単語を記憶する方法を比べてみましょう!
方法A. 下の単語を覚えて下さい:
方法B. それでは、先に下記の文を覚え、単語リストはあくまでも解説として使う方法はどうでしょう?
Amazon Prime has turned out to be an indispensable means of acquiring and retaining customers.
(訳:Amazon Prime(というサービス)は、結局のところ(最終的には)、かけがえのない 方法となった~顧客を獲得し、維持しておくための)
◆ 実験結果
AとBの方法を比べて、単語の覚えやすさ、ニュアンスの感じやすさなどに違いはありましたか?もちろん、あると思ったのでAとBを経験してもらったのですが、多くの人にとって、Contextがあった方が記憶しやすいです。この例で言うと、単語をばらばらに“真空で”覚えるよりも、文の中に留めておいて覚えた方が記憶効率も良いし、的確なニュアンスも身に着けることができます。これは“パッケージ記憶”の効果です!
つまり、目的が、これらの表現を覚えて実際の会話で使うことである場合、Bの方が“作文”する手間が不要なので早く口から出て来ます。更に、“作文”してもネイティブスピーカーに通じる英文が書けるとも限らないので注意が必要です!訳
以上、結構長いコンテンツを読んで頂きましたが(笑)、まとめてみるとGAMBIT Speakには以下のような特徴があります:
a) ‶視覚記憶”から”音声記憶”に強制的に切り替えることにより、話すスピードを上げる
b) 表現のパッケージ化により、一生懸命”作文”しなくても表現が口から出てくるようにする
c) 表現の正しいニュアンスがつかみやすく/使いやすくなる
それでは、一つづ説明しましょう:
a) ‶視覚記憶”から”音声記憶”に強制的に切り替えることにより、話すスピードを上げる
GAMBIT Speakは、上の図に出て来たWhiteboard”(あなたが英語を話そうとするときに頭の中に出てくる)を消すためのツールです。
視覚的に英単語を暗記していると、“作文→音声変換”に余計な時間が取られ(3~4秒)、会話の中でタイミングよく発言することができません。実際の会話では、「相手の発言を理解する」という追加負担を強いられるので、できることなら余計なプロセスは避けたいものです。それを助けるのが、”視覚記憶”から”音声記憶”への変換です。
ミーティングやインタビューで相手が話している途中に言葉を挟むタイミングはとても重要です。例えば、クライアントとのインタビューで、トピックが変わってしまってから、「ところで、さっきお話されていたユーザーの反応のことなんですが・・・」と質問するのは、話の腰を折るため相手も話しにくくなりますし、あなたの質問に該当する部分まで記憶を遡るのも手間です。その他、例えば、同僚との日常的なディベートでも、「ここぞ!」というタイミングを逃してしまうと、自分の意見が通りにくくなってしまいます。
b) 表現のパッケージ化により、一生懸命”作文”しなくても表現が口から出てくるようにする
表現のパッケージ化により、一生懸命”作文”しなくても表現が口から出てくるようにします。実は、私たちが日常使っている表現のかなりの部分は、”パッケージ化”されています。”パッケージ”とは、イディオムや半分イディオムになりかけの表現、ネイティブスピーカーが良く使う英語らしい文の構造も含まれます。(NattingerとDeCrricoという言語学者は、ここで言う“パッケージ”をFormulaic Speechと呼んで、“What’s for dinner?”や”Can I come in?”などもこれに含めています)
特に母国語では、会話などで文をゼロから組み立てる人はいません。あまりにも労力と時間がかかり会話が成り立たないからです。ものすごく身近な例では、”See you tomorrow.”,や”It was very nice meeting you today.”などの挨拶系や、”I heard a lot about you.”や”I’m glad you asked (the question).”などの儀礼系が典型的です。
パッケージ化は、一文を覚えるだけで数個の表現や単語が覚えられるので、効率的且つ経済的な方法です!
c) 表現の正しいニュアンスがつかみやすく/使いやすくなる
文全体でContext(全体感)を与えてくれるので、(ターゲットになっている)表現のニュアンスがつかみやすくなります。Contextは絵画でいうと、風景のようなものです。道路の真ん中で前かがみになっている人たちを見ても何のことがさっぱり分かりませんが、背景に麦畑があれば、すぐに「落穂拾い」(ミレー)と分かります。
単語やイディオムのニュアンスを正確につかむのは簡単ではありません。数学と異なり、文中の単語の意味を一つ一つ調べて全部を足し合わせても、正しい”答え”が出るとは限りません。
上記で経験して頂いた「音声入力」や「パッケージ記憶」などの特徴を持つGAMBIT SpeakのSampleを聞いてみたい方はこちらでどうぞ!
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