Lateral Thinking / レテラル・シンキング:クリエイティブに思考する方法

「もし、あなたがEdward de BonoあるいはLateral Thinkingのことをこれまで聞いたことが無いと言うなら、それはおそらくあなたが従来の考え方に囚われていたからかも知れない」

こんなことをForbesに言わせたLateral Thinkingとは一体何モノのなのでしょうか?

私たちProblem-solverにとって、役に立つToolなのでしょうか?

Idea generationやThinkingの方法には多くの種類がありますが、私たちProblem-solverが日頃の業務の中で使うのは多くがAnalyticalなものです。日本ではよくLogical thinkingのような呼ばれ方をするApproachです。比較のため、まずは、このようなVertical thinkingの典型的な例を2つ見てみましょう。

一つめは、Problem-solvingです。「問題を定義して、仮説を立てて、データを集めて(分析し)、原因を突き止め、Solutionを見つける」というお馴染みの流れです。

そして、もう一つはArgumentを組み立てて行くときのFormulaです。Problem-solvingの流れをほぼ遡った「事実→根拠→結論」という進行です。このFormulaはイギリスのPhilosopherであるToulminという人が提唱した(Developed)ものです。

EssentialなPartsは、Ground、Claim、Warrantの3つです。まず、Ground(Evidence:データや情報)があり、それに基づいてClaim(結論)に至ります。その際に、Warrant(根拠:一般的に受け入れられている物事のルール)を使いその正しさをサポートします。

どうですか?「どこかで聞き覚えがあるような単語だなぁ・・・」と思われましたか?そうです。もしあなたが三角ロジックに馴染みがあれば、Warrantなどの単語は聞いたことがあるかも知れません。(ちなみに、Law schoolでもこれと似たFormulaを使ってArgumentのトレーニングをします)

ちょっと前振りが長くなりましたが(笑)、このSectionでは、これらのようなAnalyticaな発想方法とは対極にあるLateral thinkingをご紹介します。

Lateral thinkingでは、「そういう手があったのかぁ!」と思わず関心してしまうようなSolutionを見つけます。ちょっと“とんち”みたいなところもあるでしょうか。

1970年にLateral thinkingという言葉が生まれて以来、いろいろなところで定義されているのですが、どれも今一つピントきません。

いろいろリサーチしてみると、このTechniqueをDevelopしたDr. Edward de BonoのDescriptionが一番Simpleで分かりやすいです。それがこのSlideです。こんなことを言っています。一緒に読んでみましょう。

Logicで考えるというのは、チェスのようなもの。一定数のPiece(コマ)とルールが与えられる。我々は、それらをどう使うかを考える。

(その対極にある)Lateral Thinkingは、現存のPieceを使うことには囚われない。むしろ、それらのPiecesをどう“変えるか”を考えることに腐心する。

我々の思考は、どうしても“パターン”にLockされてしまう。我々の思考をそこから解き放つためにLateral Thinkingの手法は開発された。

ん~。何となくイメージが沸いてきました。本が出版されていますね。Problem-solverとしてOut-of-the-boxのIdeaを出すトレーニングとしても役立ちそうです。

Without further ado….(能書きはこの辺で終わらせて・・・)具体例を見てみましょう。

1つ目は、”How does a rickshaw increase its sales?” Manhattanで有名なRickshaw(“人力車”が語源)である PedicabについてのEpisodeです。

実はこのアイデア、Apprenticeという番組で出て来たものです。この番組は“Reality TV”と呼ばれるジャンル(Genre)のもので、ある大企業のManagement positionをめぐって参加者がBusiness savvy(ビジネス上の鋭さや能力)を競うものです。その時のHostがDonald Trumpでした!!!(DVDがAmazonでも売られていますね!)2004年から始まって、視聴率を結構な稼いだためシリーズ化されました。

Let’s get back to the topic… その番組の中で出されたのお題(Challenge)の一つがこれです。「Rickshawの売上を上げろ!」

他の皆が、「多くの客を運ぼう」とか「値段を上げよう」と努力している一方、Contenderの一人は「広告収入」という道を考えました。先に答えを聞いてしまうとそれほど驚きませんが、当事者(あるいは当事者のUrgencyをLiveで見て感情移入している視聴者 私も!)は視野が狭くなっており、「Pedicab自体をどう使うか?」にしか思考が及ばなくなってしまいました。

まさに、前のSlideのDr. De BonoのChessの例えそのものですね!(←一人で感動している! 笑)

2つめの例もBusiness 寄りのものです。Car rental(レンタカー)会社の話です。私がUS内で出張する際、レンタカーを使うことがたまにあります。最初は、「なぜこんなことするのだろう?」と考えましたが、後になって「なるほど~!」と感動したケースです。

Car rental会社にとって、Customerが予約した車種やサイズを間違いなく準備して置くことは意外と大変です。数人の客が相手ならまだしも、数千人の単位になるとコトはちょっと複雑になります。MBAのときの同級生でHertzで働いている友人に話を聞くと、「予定通り車を返さないCustomerもいるし、他のLocations/branchesともFleet(車のことをそう呼びます)を融通し合う。IT上での管理はERPでできるけれど、いつもUnderstaffed(人手不足)だから、物理的なOperationがついていかないことも多い。だから、カウンターにCustomerが来るとドキドキする」らしいです!

つまり、私たちがCustomerとして“当然”と思っている(taking for granted)「予約した型とサイズの車が、私たちがCar rentalに到着したときには完璧に準備ができている」という状態を作るのは、結構骨が折れる(not easy / really tough)ということです。

そこで考え付いたのが、「そのDifficultyをCompetitive edgeにしてしまおう!」という発想。予約時点ではサイズだけを指定してもらい、現場についたらそのサイズの車が留めてあるparking lotの中から好きな車を選んでもらいうというもの。Car rental会社にとっては、「注文された車種が準備でない!」という苦痛から逃れられ、Customerにとっては、「どれを選んでもいいんだぁ!」となります。

おお!このLateral thinking力!Genius!(感動しているのは、私だけかも・・・?笑)

さて、3つめはちょっとソフトなThemeです。そうです、Odd socks(片方づつバラバラになったソックス)です。きっと洗濯をした時に、ペアの一方がどっかに行っちゃったのかも知れません。あるいは、穴が開いてお払い箱になった(was tossed)のかも?

実は、このThemeは、Stanford universityで学生に出されたものです。学生からはこのようなIdeasが出てきました。(このSlideの右側にある12くらいのItems)正直、多くの人はこういう思考をすると思います。

面白いのは、このChallengeには一般の人たちも参加できます。校外の人たちからのIdeaの一つに、DiversityをEncourageするCause(運動“ムーブメント”の理念やミッション)に使うというものがありました。何のことを言っているのでしょう?Sockを物理的なものとして捉えるのではなく、何かの象徴と考えました。それは、Diversityです。「他の人と違っていいんだ」という考え方を広めるCampaignの象徴として使うのです。実は、Ear ringやGloves(手袋)でも同様の効果がありますね。

どうでしょうか。私にとっては、「これは参った!」(Hats off)というすごいアイデアでした。考えてみれば、この例もDr. De BonoのChessの例がハマりますね!

ちょっと話がそれますが(Getting off on a tangent)、Lateral thinkingがJob requirement(仕事上、Lateral thinkingができなくてはいけない)になっている人たちがいます。どんな職業でしょう?そうです。コメディアンです。笑いが起こる理由にはいくつかありますが、そのPrimaryな一つが、“意外性”です。Audienceである私たちは、「そんなことよく考え付くねぇ!」というオチがあるから笑ってしまいます。そして、コメディータッチのSitcomを書くにもやはりLateral thinkingが必要だと思います。Friendsなどは英語自体はやさしいですが、Plotはやセリフはなかなか予想できず、非常にSophisticatedですね!

どうだったでしょうか?皆さんもこんなふうに、Lateral thinkingを鍛えて画期的な製品やサービスを考えてみて下さい。

最後にまとめです・・・

Vertical and Lateral comparison
lateral thinking

最後に“おまけ”です。

これはBelgradeの空港のBaggage carousel(荷物をPick upするターン・ベルト)です。このから荷物が出てきます。これはこれで面白いですが、おそらくこれは車の広告になっていると思います。飛行機を降りて来たお客さんたちは、ほぼ100%この車を見ることになるので、広告としては価値が高いですね。

「何度も見ていると慣れて注目しなくなるのではないか?」  はい。その傾向はあると思います。ただ、多くの人にとって飛行機に乗るのは年に数回なので、空港に来るたびにこの広告のことは忘れているので、見るたびに鮮度が戻るかも知れないですね!

ご質問やコメントなど、お持ちでしたらどうぞお気軽に!