前回は、AIの現状をお知らせしました。自動車から化粧品まで、思いのほか私たちの日常に広く入って来ていると感じました。 今回は、AIの具体事例(私の使用レポート含む)をご紹介したいと思います。
驚くことに、AIは、あっと言う間にかなり賢くなりました。
下記のグラフは2016年のデータです。AIのIQと人間のIQを比べています。もしかしたら2021年には既にGoogle Brainは、6歳の子供のIQを抜いているかも知れないです!
ただ、AIは、放っておけば自動的に賢くなるわけではありません!学習させることが必要です。それには、ものすごい量のデータが必要です。そして、そのデータを処理するための適切なモデルを選ぶ必要もあります。手間と時間がかかります。大きな問題です。多くの中小企業がデータを思うように使えない典型的な原因の一つです。また、データサイエンティストなどの専門家を雇い、Codingしてもらう必要もあります。皮肉なことに、Codingは、特定の担当者が行うので、Programmingの属人化のような問題も発生します。
そこで、最近のLow-Code / No-Code(Harvard Business Reviewの記事)の流れにつながります。Low-Code / No-Codeとは、Coding無しあるいはほんの少しのCodingだけで使えるMachine Learningを指します。その中でも、AutoMLというのは、人間がDataさえ集めれば、MachineがPredictionまでやってくれます。下記に、従来のMachine LearningとAuto MLそれぞれで必要になるタスクをステップごとに書き出してみます。前者がどれだけ効率的かが一目瞭然です:
従来のMachine Learningのステップ
Data acquisition -> Data cleaning -> Model selection -> Model training -> Parameter tuning -> Prediction
Auto MLのステップ
Data acquisition -> Prediction
それでは、LC/NCの実際の例を見てみましょう。私個人としてはかなり衝撃的でした。
一つめは、Sony PredictionOneです。 私は実際にこれを使って「顧客の成約予測」をやってみました!
➀まず、このような(サンプル)顧客データを入力します。
自分でここまで使えると、何とも言えない“満足感“が生まれますね。(実は、たいしたことはしていないのですが・・・)
2つめは、Teachable Machineです。これはもっとすごい!! これも、私が、実際に画像認識をAIにやらせてみました。
➀まず、学習用のサンプルデータをInputします。(画面の左側)
②Machineがそれを学習します。(画面の中央)
③その結果、AIがケロちゃんと私の顔を区別することができるようになりました。(画面の右側の写真の下のオレンジとピンクのバーで認識度を表示)
「なんだ、それだけ?!」という声が聞こえてきそうですが、いいえ、この示唆はすごいです!応用範囲は広いと思います。例えば・・・
例A:
手のひらを開いた画像とグーの画像を学習させます。それぞれに、YesとNoを紐づけます。すると、話す機能に障害がある人が、手で簡単にCommunicationができるようになります。(データは、2つよりももっと多いセットをInputすることが可能です)
例B:
自分の飼い犬(うさぎでもいいですが)の顔をデータに使います。その犬が、玄関のインターフォンに映ったら、その入力をYesとして、ドアを自動で開けるというしくみを作ることもできます。
実は、前回紹介した資生堂のSkin Needs Predictionシステムも、このような画像解析を基に開発したシステムです。
上記の例でも、AIは既に私のPCに降りて来ています。”降りて来ています”の意味は、以前は、これだ大量のデータを処理しなくてはならなかったので、Cloudにおいてありました。ところが、今ではそれぞれのUser PCに置くことがめずらしくありません。その方が反応が早いのです。”反射神経”のようなものでしょう。
これが更に進むと、それぞれの製品の中にAIが置かれるようになります。AmazonのAlexaがいい例ですね。データを遠方まで送る必要が無くなったり、工場などでは多くの機械分の周波数を確保する必要がなくなるわけですね!これをEdge AIと呼びます。
どうでしたか?AIのヤバさを感じて頂けたでしょうか?Low-Code / No-Codeの流れは、Pythonさえも完全に不要にする日も近いかも知れません。(もう来ている?)
下の図、あなたは見覚えがあるでしょうか。「コンサルティング業界の終焉」からのものです。 ただでさえ、次々と現れる新しい”競合”に仕事を奪われ、残された陣地が少なくなっているマネジメント・コンサルティング業界。今AIが最期の砦であるSyntherize Findings(下の図の最後から2つめのStep)まで攻めようとしているではありませんか!
さて、私たち人間コンサルタントはどうやってその価値を維持し、生き/勝ち残って行けばよいのでしょうか。もちろん、明日から仕事がなくなるわけではないのですが。AIは既に、TaxやDD、Accountingの世界へ入り込んでいます。私たちコンサルタントと競合するのも目に見えています。
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